ほうれん草はアク抜きしないとおいしくないけど、そもそもアクは体に悪いのか気になっていませんか。
アク抜きに失敗して苦みが残ってしまったほうれん草を、なんとかおいしく食べたいなんていうこともありますね。
この記事では、ほうれん草のアクが体に悪いのかや、あく抜きを失敗してもおいしく食べられる対処法についてまとめました。
また、ほうれん草を生で食べるときのアク抜きの方法についてもお伝えします。
参考にしてくださいね。
ほうれん草のアクは体に悪いの?
一年中出回っているほうれん草ですが、旬の11月~1月は甘みが増しておいしくなりますね。
ですが、ほうれん草はアクがあるので、あく抜きせずにそのままで食べるとエグ味があって歯がキシキシしたりとおいしくないだけでなく、体に悪いのです。
ほうれん草には、ビタミンCやカリウムに葉酸、目にいいカロテンや鉄分など栄養素が多く含まれていて、緑黄色野菜の王様です。
積極的に食べたいほうれん草ですが、調理するまえにはあく抜きする必要があります。
ほうれん草のアク成分「シュウ酸」
ほうれん草のアク成分のシュウ酸は、尿路結石や腹痛の原因になったりと体に悪いのです。
尿路結石は、腎臓で作られた尿が通る尿管や膀胱などに石ができる病気で、食生活が影響していて、ほうれん草などによるシュウ酸の摂り過ぎが原因のひとつになっています。
アク抜きしていないほうれん草を一度にたくさん食べると、シュウ酸とカルシウムが結合して石ができてしまうのです。
もちろん、アク抜きをしないでほうれん草を食べたからといって、すぐに尿路結石になるわけではありません。
それにアク抜きをすれば、その分ビタミンCなどの栄養分もどんどん少なくなってしまうので、やみくもにすればいいという訳でもないのです。
アクが体に悪いといっても、そんなに神経質にならなくても大丈夫ですよ。
健康な人であれば、一束200グラムのほうれん草をあく抜きせずに毎日食べ続けたとしても尿のシュウ酸値の基準を超えることはないので、そんなに心配することはありません。
ですが、もともと尿のシュウ酸値が高い人や、尿路結石になったことがある人はほうれん草のアクは避けた方がいいかもしれませんね。
ほうれん草のあく抜きに失敗したら?
ほうれん草を下ゆでして水にさらしたのに、アクが抜けずに舌がピリピリしたり、口の中がギシギシになることがあります。
ほうれん草には多くの種類があるので、同じように下処理してもアク抜きに失敗してエグ味が残ることもあるのですね。
そんなときでも食材をプラスするだけで、アクを感じることなくおいしく食べられる方法があるのですよ。
ほうれん草のアク抜きに失敗してもおいしく食べられる方法
かつお節やちりめんじゃこをタップリかける
かつお節やちりめんじゃこなどの、カルシウムが豊富な食材と一緒に食べることで、エグ味がしなくなります。
アクのシュウ酸と唾液のカルシウムが結びついて大きくなることで、口がキシキシと異物感を感じます。
シュウ酸だけではエグ味にならないので、唾液ではなくかつお節などのカルシウムと結合させればアクを感じなくなるのです。
ほうれん草のお浸しにかつお節やちりめんじゃこをかけて食べるのは、うまみをプラスするだけではない意味があったのですね。
先人の知恵を感じます。
牛乳にもたくさんのカルシウムが含まれているので、シチューやポタージュスープにするのもエグ味を除く効果がありますよ。
寒い日のほうれん草入りのホワイトシチューなんて、体も温まっておいしいですよね。
マヨネーズやドレッシングの油の効果
ほうれん草と油を一緒に摂ることで、アクのシュウ酸とカルシウムを結合させないようにすることができます。
唾液のカルシウムは油に溶けないので、エグ味を感じることが少なくなるのです。
マヨネーズやドレッシングで和えたり、オリーブオイルやバターで炒めたりと油を使ったいろいろな調理方法がありますね。
あく抜くに失敗しても、カルシウムや油を使う調理をすることでほうれん草をおいしくたくさん食べることができるのですよ。
ほうれん草の栄養分を多く摂取するためにも、アク抜きはし過ぎずにおいしく食べたいですね。
ほうれん草のアク抜き、生で食べるには?
ほうれん草はお浸しや炒め物など加熱するだけでなく、生でサラダにしてもおいしく食べることができます。
生で食べるならサラダほうれん草
品種改良されてアクが無いサラダほうれん草なら、アク抜きなしでそのまま生で食べることができますしやわらかいのでサラダにすると本当においしいですね。
サラダほうれん草は、火を通してしまうとびちゃっとなってしまいます。
水耕栽培のサラダほうれん草は、露地物に比べて栽培期間も短く病気になることも害虫の発生も少ないのです。
そのため農薬もほとんど使用されていないことから、生でも安心して食べられますよ。
水耕栽培だと何となくひ弱な印象で、露地栽培のものに比べて栄養価が低い気がしますが、そんなことはありません。
サラダほうれん草も、普通のほうれん草と変わらない栄養があるというのだから嬉しいですね。
ほうれん草を生で食べるときのアク抜き方法
サラダほうれん草は、いつでもどこでも手に入るものでは無いのが残念なところです。
サラダほうれん草が手に入らないときは、アクがあるほうれん草を水にさらしてアク抜きすれば、生でも食べることができますよ。
水洗いしたほうれん草を3センチ程度の食べやすい大きさに切ったら、10分以上水に浸けてアク抜きをします。
ほうれん草はたくさんの種類が出回っていますが、茎が細く柔らかく元の部分が赤くないものの方がアクが少なくて生で食べやすいですよ。
オイルを使えばエグ味や苦みを抑えられる
ほうれん草のシュウ酸と唾液のカルシウムが結びつかないようにするために、オイル入りのドレッシングやマヨネーズなどを使うとおいしく食べられます。
私が好きなのは、多めのオリーブオイルでベーコンをカリカリに焼いて熱々のオイルごと生のほうれん草に回しかける食べ方です。
ベーコンのうまみが移った熱々のオリーブオイルで、ほうれん草が少ししんなりして食べやすくなるのと、カリカリベーコンの食感がアクセントにもなります。
これだとサラダほうれん草じゃなくても、アクは感じなくなるのですよ。
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さいごに
ほうれん草のアクは、苦みなどでおいしくないだけではありません。
体に悪いアクは、成分のシュウ酸が原因で尿路結石になることもあるので、尿のシュウ酸の
値が高い人は注意が必要です。
ほうれん草は種類が多いので、下処理してもアク抜きに失敗することがありますね。
そんなときはかつお節などのカルシウムが多い食材と一緒に食べたり、オイルやバターなど油を使った調理をすればおいしく食べることができます。
シュウ酸自体にエグ味は無いので、唾液のカルシウムと結合しにくくするといいわけです。
ほうれん草を生で食べたいときは、サラダほうれん草ならアクが無いのでそのまま食べることができますよ。
ほうれん草のアクは少量なら問題ないので、調理を工夫しておいしく食べてくださいね。