家族が亡くなって納骨するときに、自分でお墓に納めてもいいのか、自分でもできるのか疑問に思っていませんか。
私も父が亡くなったときに、自分で納骨できるのでは?と考えてみたのですが、私には無理だったので石材店に依頼しました。
この記事では、お墓への納骨は自分でできるのか、自分でする場合の問題点についてまとめました。
また、納骨を石材店に依頼する場合の費用や手順、納骨日当日の流れについてお伝えします。
納骨はお墓を開いて遺骨を納めるだけのことなのですが、知らないとできないことや技術や道具が必要なこともあります。
無理して開けようとすると困ったことになるかもしれないので注意してくださいね。
お墓の納骨は自分でもできる?
亡くなった家族の遺骨を、自分でお墓に納骨することはできます。
お墓への納骨を自分でしてももちろん違法ではありませんし、宗教上の問題があるわけでもありません。
ですが実際に納骨を自分でやろうとすると、難しいことがたくさんあるのですよ。
父が亡くなったときに、自分で納骨できないかと考えてみましたが私には無理でした。
自分で納骨するときの問題点についてお伝えしますね。
お墓の納骨を自分でするときの問題点
お墓の開き方が分からない
お墓にはさまざまな形があって、納骨室(カロート)の開き方が違います。
開き方が分かっていても、石が重かったり引っかける道具が必要だったりと、素人には難しい場合があります。
石材は大きなものは50㎏にもなるので、ひとりでは持ち上げられませんし、手を挟んだりすると大変ですよね。
慣れていないと思わぬアクシデントがあるかもしれません。
コーキングで蓋が開かない
お墓の納骨室に水や虫が入り込まないように、蓋になる石材はセメントなどで接着してあります。
このコーキング剤を取り除いて開くのですが、慣れていないとすんなりと開くことができません。
無理して開こうとすると、墓石が割れてしまうこともあるのですよ。
遺骨の納め方が分からない
私の場合は納骨が始めてでしたので、遺骨の納め方も全く知りませんでした。
私が住んでいる地域では、遺骨を骨壺のまま納骨しますが、白い布袋に入れたり遺骨をそのまま納めるところもあります。
納骨室への納め方も自分でやろうとすると分からないことが多いですよね。
例えば骨壺のまま納める地域での、納骨室内がいっぱいで入らないときの対応など、自分でどうしたらいいか分からないことも石屋さんなら適切な対応をしてくれますよ。
カロートを閉めるときのコーキングが難しい
遺骨を納めたらカロートに蓋をして、水などが入り込まないようにセメントなどでコーキングします。
コーキングは次に開くときのことを考えて、開きやすいように接着させなければいけませんが、その度合いが難しいですね。
セメントの扱いに慣れていないと出来ませんし、道具も準備する必要があります。
お墓の納骨は石材店に頼む方が安心
お墓のカロートは誰でも容易に開けられるタイプでなければ、石材店に依頼する方が安心できます。
慣れないと石材に手を挟んでケガをしたり、無理に開けようとして石材にヒビが入ってしまうこともあります。
閉めたあとのコーキングに失敗すると、水が流れ込んで遺骨が傷んだりカロート内が汚れて臭くなることもあります。
それに、石屋さんに依頼することで遺骨の納め方の不安もなくなって、気持ち的にも安心できますよ。
お墓への納骨、石材店依頼と費用は?
お墓への納骨を石材店に依頼する方法です。
石材店と言われても日頃のおつきあいがなければ、どこの店に頼んだらいいのか迷いますが、お墓を建てた石材店が分かっていれば、そこに頼むのがいいですよ。
随分昔に建てたお墓で、石材店がどこか分からない場合は、霊園の管理事務所に相談すればいくつか紹介してもらえますし、指定の業者しかダメな場合もあるので注意が必要です。
納骨を石材店に依頼するときの手順
納骨の日時確認と見積もり
まずは納骨の日時を確認して見積もりをとります。
小さな石材店だと、最初に納骨の日時を押さえておかないと対応してもらえなくなりますよ。
石材店の納骨費用の相場は、1万円~3万円程度です。
なかには、墓石への戒名彫りを依頼すればサービスで納骨までしてくれる石材店もあります。
2~3社から見積もりを取って、費用が安くて信頼がおけそうなところから選ぶといいですね。
頼む石材店が決まったら、請求書をもらって後日銀行振込にするのかや、当日支払っても大丈夫なのかなど支払いの方法も確認しておきます。
納骨費用とは別に石屋さんへの心付けを渡す場合は、ひとりにつき3000円~5000円が相場です。
お墓の場所の確認
お寺の墓地や公営の霊園など分かりやすい場所ならいいのですが、小さな墓地だと名前を伝えただけではわかりません。
またお墓の場所も区画や番号が整備されていなければ、場所を伝えるのはとても難しいものです。
当日お墓の場所が分からなくて困ったことにならないように、分かりやすく伝える必要がありますね。
私の家のお墓は、名前もない墓地で列や番号などの区画整備も全くされていなくて場所を伝えるのにとても苦労しました。
口で伝えても分かりにくいので、写真を撮ってメールで送ることで分かってもらえました。
納骨日が雨になりそうなときの対応
お墓は屋外なので、納骨予定日が雨になったときの対応についても確認しておきます。
納骨日前日の何時までに石材店に電話をして、最終確認をするなどと決めておくようにします。
家族と石材店だけで納骨する場合は日程の変更は簡単ですが、お坊さんや親戚が多いと日程を変えるのが難しい場合もありますね。
お坊さんとも雨の場合はどうするか事前に相談しておくと安心です。
私の場合は天気予報が晴れだったので、何の問題もなく予定通り終えることができました。
お墓の納骨、当日の石材店手順は?
納骨日当日、石材店の方は開始時間より前に来て、お墓周辺の清掃をしてくれます。
納骨式が始まるまえに、石材店の方に納骨の流れを説明しておくといいですよ。
大抵の納骨式は、施主の挨拶→納骨→読経→焼香の順に執り行われることが一般的です。
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納骨式での施主あいさつを例文とともに紹介しています。
納骨式での石材店の手順
施主の挨拶が終わったら、石材店がお墓のカロートを開けて納骨したらとりあえず蓋をします。
この時点では、蓋の接着をせずに置いているだけの状態です。
その後お坊さんの読経と参列者の焼香となり、納骨式は終了します。
納骨式の後は会食する場合は、施主はお坊さんや参拝者と一緒に会食する場所に移動することになります。
カロートの蓋を接着して終了
石材店は、納骨式が終了した後にカロートの蓋をセメントなどでコーキングしてくれます。
コーキングするのには15分程度の時間がかかりますが、参拝者を待たせる訳にもいきませんね。
そのため、あとは石屋さんにお願いすることになります。
私の場合は家族だけの出席だったので、カロートのコーキングが全て終了するまで見届けました。
小さな器に練ったセメントを、カロートの蓋のすき間に小さなコテで入れ込んで接着していきます。
とても手際が良くてはみ出すこともなく、すき間がきれいに埋まって行きました。
次回カロートを開くときに、蓋をちょっと叩くだけで簡単にはずせるようにセメントを塗るそうです。
これが石膏とかだとしっかりと接着しすぎて、石材を傷めてしまうのですね。
骨壺が入っていた箱と包んでいた白い布も、石材店が持って帰ってくれました。
箱と布をどのように処理していいかも迷うところだったので、持って帰っていただいてホッとしたのですよ。
骨壺の箱や布を処分するにしても他のゴミと一緒に捨てるのも、気が引けますからね。
私の場合は、納骨の費用をその場でお支払いして、全て無事終わりました。
支払いは、表書きのない白無地の封筒にお金を入れて準備しておきます。
心付けを渡す場合は、「志」と表書きした白無地の封筒で、ひとりひとりにお礼の言葉を添えて最後に手渡すといいですね。
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さいごに
お墓の納骨は自分でしてもいいのですが、難しい部分もあってなかなか自分ではできません。
お墓によってカロートの開き方が違いますし、閉めるときは雨水などが入り込まないようにセメントなどでコーキングをする必要もあるからです。
開かないカロートを無理して開けようとすれば、お墓を傷つけたり手をはさんだりすることも考えられます。
石材店とは、納骨予定日が雨になりそうなときの対応を事前に話し合っておくといいですよ。
石材店は1~3万円程度の費用がかかりますが、自分でする自信が無ければ依頼する方が安心できますね。