硬いお肉を柔らかく、おいしくしたいですね。
歯が悪かったり高齢になると、硬いお肉がなかなか噛み切れなくて、食べたいのに食べられないっていうことが多いものです。
私の母も高齢でお肉が硬いと食べずに残すので、なるべく柔らかくなるように調理しているのですよ。
この記事では、肉を柔らかくおいしく食べるための方法をまとめました。
肉を柔らかくする方法はたくさんありますが、お金をかけずに手軽にできるのがいちばんです。
肉の味を邪魔せずに柔らかくジューシーになる方法と、簡単にできる豚肉のおかずレシピも紹介しています。
参考にしてくださいね。
肉を柔らかくしたいなら「叩く」
硬くて噛み切れないお肉ってありますね。
私の母もそうなのですが、高齢になるとお肉を食べたくても硬くて食べられないということが増えてきます。
高齢者でも食べられるように、お肉を柔らかくするための方法を紹介しますね。
肉の筋切りをする
牛肉でも豚肉でも何の肉でも筋があるので、まずは筋切りをします。
筋切りをしないと、硬いだけでなく肉がつっぱって反ったりして上手に焼けません。
まずは横に走った筋を切るのですが、包丁よりもギザギザのついた先が尖ったキッチンハサミを使えば、筋だけをきれいに切ることができますよ。
肉を叩く
肉は叩くことで繊維がほぐれて柔らかくなります。
霜降りの上等な肉なら叩く必要はありませんし、叩くことでおいしくなくなってしまうので注意してくださいね。
叩く道具は、四角いハンマーにイボイボがついた「肉たたき」を使いますが、無い場合は、ビール瓶などの持ちやすい瓶で全体をまんべんなく叩くといいですよ。
ムキになって叩きすぎると、ペラッペラになってしまうので、程よいところでやめます。
また、包丁の背で叩くと繊維をほぐすと言うよりも、切り込みを入れてしまうことになるので、やめた方がいいですね。
肉をフォークで突き刺す
筋を切って肉を叩くだけでも随分柔らかくなるのですが、まだ足りないときはフォークで全体を突き刺します。
突き刺すことで繊維もほぐれますし、縮みや硬くなることを防止する効果もあります。
肉を柔らかくする「塩麹」
叩くだけでも肉は軟らかくなりますが、塩麹を使うと酵素の力で柔らかくすることができます。
肉を柔らかくする酵素を持っている食品はたくさんあるのですが、肉全般に使えるのが塩麹です。
塩麹は、肉でも魚でも何にでも使えますし、クセが無いので素材本来の味を邪魔せず、しかもうまみを引き出す優れものなのですね。
塩麹は数年前に脚光を浴びて、ブームになったので使っている人は多いですが、液体の塩麹を使っている人は、まだ少ないのではないかと思います。
普通の塩麹は粒々のお粥状ですが、液体塩麹は一見するとお酢のような液体なのです。
液体のいいところは、お肉全体にまんべんなく浸透しやすいことと、焼きムラなく均等に焦げ目がつきます。
液体塩麹でお肉を柔らかくする使い方
・液体塩麹:お肉の10%が、使用量の目安
お肉をポリ袋に入れたら、液体塩麹を回し入れてお肉全体に行き渡るように揉み込みます。
その後1時間程度つけ込んだあと、好みで塩胡椒などして普通に調理します。
液体塩麹に塩分はありますが、とても柔らかくまろやかなので塩辛いと感じることはありません。
塩麹を使うとお肉が柔らかくなるだけでなく、しっとりと仕上がるのでパサつくこともないですよ。
塩麹がお肉を柔らかくする理由
液体塩麹に漬け込むと、お肉の表面のたんぱく質を塩麹の酵素が分解して塩分とうまみ成分がお肉の内側に浸透します。
お肉の内側に浸透した塩麹の酵素が、たんぱく質を分解することでお肉を柔らかくするのですね。
また、肉汁を塩麹の塩と糖が抱え込むことで、焼いても水分が流出しなくなりジューシーでおいしくお肉が食べられるのです。
肉を柔らかくする「大根おろし」
お肉は、塩麹に漬け込むだけでも柔らかくジューシーですが、大根おろしをプラスすればますますおいしくなりますよ。
牛肉をステーキで塩胡椒だけで食べるときは、シンプルに塩麹がいいですね。
ですが、豚肉をご飯のおかずとしてしっかり食べたいときは、肉を大根おろしと塩麹、調味料を混ぜたものにつけ込んでおくと、豚肉がトロトロになりますよ。
つけ込んでおいた大根おろしは、そのまま豚肉のタレとなるので、無駄なく食べることができます。
大根おろしの酵素が肉を柔らかくする
大根にはたんぱく質を分解するプロテアーゼ(プロテイナーゼ)が含まれていて、この酵素の働きでお肉が柔らかくなるのです。
大根をおろすことで、お肉に密着して浸透しやすくなります。
大根には、消化をよくするジアスターゼやアミラーゼという酵素も含まれているので、お肉には丁度いいですね。
大根おろしと塩麹を使った豚肉のおかず
大根おろしと塩麹を使った豚肉のおかずレシピを紹介しますね。
■材料
・豚ロース肉(とんかつ用):200グラム(筋切りをして、叩く)
・大根おろし:200グラム
大根おろしは、繊維を切るように垂直におろすと滑らかになります。
・液体塩麹:大さじ1
・しょうゆ:大さじ1
・砂糖:小さじ1.5
・唐辛子:少々
・中ネギ:小口切りにしたもの(トッピング用)
豚肉の大根おろし焼きの手順
1.中ネギ以外の材料をポリ袋に入れて、よく揉み込んで空気を抜いたらそのまま1時間程度置く。(前日からつけ込んでおいてもいいですよ)
2.フライパンにサラダ油を熱したら、まずはつけ込んでおいた豚肉の両面をサッと焼く。
3.ポリ袋に残っているタレを豚肉にからませて、フタをしたらしっかりと火を通す。
4.豚肉を食べやすい大きさに切って、お皿に盛り付ける。
5.タレの汁気が多いようなら煮詰めてから、豚肉にかけてからませる。
6.最後に青ネギをトッピングして出来上がり。
大根おろしと液体塩麹に漬け込むことで、豚肉も柔らかくなって味もしみこむので、おいしいですよ。
また、フリーザー用のジップロックに入れてしっかりと空気を抜けば、冷凍することもできます。
さいごに
硬いお肉を柔らかくするためには、まずは筋切りをして肉たたきでまんべんなく叩きます。
肉を叩くことで、繊維がほぐれて柔らかくなります。
調理では液体塩麹につけ込めば、酵素がたんぱく質を分解して肉が柔らかくなって、塩と糖が水分を抱え込むことでジューシーになるのです。
また、大根おろしにつけ込むことでも大根の酵素の働きで、柔らかくすることができますよ。
豚肉を塩麹と大根おろしを混ぜた調味料につけ込んでおけば、フライパンで焼くだけでおいしいおかずのできあがりです。
硬い肉でも、叩いたり塩麹や大根の酵素の力を利用すれば、柔らかくすることができるのです。
簡単に調理できて、柔らかくおいしくなるので、試してみてくださいね。