夏は大量の汗をかきますし、熱中症の予防のためにも水分補給が欠かせませんね。
水分補給には、飲物なら何でもいいというわけではないのです。
飲物によっては、水分補給しているつもりが身体から水分を排出させているものもあるのですよ。
夏場は水分補給をした方がいいと分かっていても、何をどれくらい飲めばいいのか迷いますね。
この記事では夏の水分補給の飲物は何がいいのかや、1日に飲む量はどれくらいなのかについてまとめました。
夏の水分補給は1日のうち、どのタイミングで飲むのがいいのかもお伝えします。
しっかりと水分補給して、夏を乗りきる参考にしてくださいね。
夏の水分補給に適した飲物は?
水分補給が必要な理由
人の体は成人で約60%~65%、新生児はなんと約90%が水でできています。
水を飲まないと、人は5日間程度しか生きることができません。
体内の水分が不足すると脱水症状を起こして、汗が出なくなり体温が上昇してしまいます。
体温の上昇だけでなく、汗や尿が出ないことで体のなかに老廃物が溜り、血液の流れが悪くなって全身の機能が悪くなるのです。
体重の2%の水分が無くなっただけでも、喉が渇いて食欲もなくなるのですよ。
人の体にとって、水分って大事なのですね。
特に夏場は汗をかくことで、水分が体から排出されるため水分補給が重要になります。
夏の水分補給に適した飲物
夏の水分補給の飲物は、水か麦茶が適しています。
麦茶にはカフェインが含まれていないので、子どもからお年寄りまで誰でも安心して飲むことができます。
血液をサラサラにするピラジンという成分が麦茶には含まれているので、汗をかいて血液がドロドロになりやすい夏場にはピッタリの飲物なのですよ。
麦茶は昔から夏になると好んで飲まれているのには、こんな理由があったのですね。
水分補給に適さない飲物
夏に水分補給するためには、飲物なら何でもいいわけではありません。
ビールなどのアルコール類や、コーヒーなどのカフェイン多い飲物は、利尿作用があるので尿の量が増えて、脱水症状を起こすこともあるのです。
確かにアルコールを飲んだ次の日の朝、喉が渇いて目が覚めるなんていうことありますね。
腎臓は血液を取り込んで濾過したあと、必要なものを体内に戻し、不要なものは尿として体の外に排出します。
アルコールやカフェインが多い飲物は、腎臓に負担がかかるだけでなく、体の水分量を減らすことになるのです。
清涼飲料水などの糖分が多い飲物も水分補給としては良くありません。
コーラなどの炭酸飲物には、500㎖のペットボトルで40~60グラム、果汁のオレンジジュースなどでも2~13グラムの砂糖が含まれています。
WHO(世界保健機関)では砂糖の1日の摂取量について、25グラム以下が望ましいとの指針をだしています。
それからすると、炭酸飲料なら1日分の摂取量を軽く超えてしまうことになりますね。
それに、砂糖の量が多い甘い飲物を飲むと、血糖値が上がって空腹感が起きなくなって食事の量が減ってしまいます。
食事が減ると栄養が取れませんから、体力が落ちて食欲もなくなるなどの悪循環が起こるのです。
夏の水分補給、1日に飲む量は?
人は生きているだけで水分を排出するので、水分補給をしないと生きて行くことができなくなります。
夏場は何もしなくても汗をかきますし、運動すれば益々大量の汗が出ますね。
食事などで自然に補給できる水分は限られているので、足りない量を自分の意思で補給することが、必要です。
特に夏場は、水分量が足りなくなることで脱水症状や熱中症を引き起こしてしまいます。
そうならないためにも、夏は自分の水分量を把握して足りない分を補うことが重要ですね。
排出する水分量と補給する水分量
特別なことをしなくても1日に約2.2ℓの水分が排出されて、約1ℓが食事から補給されています。
■1日に排出する水分量:約2.2ℓ
呼吸:約500㎖
睡眠中の汗:約200㎖
排尿・排便:約1.5ℓ
■1日に補給する水分量:約1ℓ
食事:約700㎖
食べ物を分解した時の水分:約300㎖
水分補給、1日に飲む水分量
排出水分量:約2.2ℓ-補給水分量:約1ℓ=不足している水分量1.2ℓ
何もしなくても1日に1.2ℓの水分が不足していることになります。
夏は汗をかきますし、外出や運動をすれば大量の汗により体の水分が奪われてしまいます。
1時間のウォーキングで約400㎖、激しい運動では約1.5ℓの汗をかくので、その分の水分補給も必要ですね。
そう考えると夏場は、1日に2ℓ以上の水分補給をした方がいいことになります。
毎日2ℓの水を飲むというのは、結構大変ですね。
毎日必要な水分を取るためには、その日に飲む分量を朝一番に準備して、それを少しずつ飲む習慣をつけるといいですよ。
そうすることで1日の水分量が分かりますし、少しずつ飲むことで吸収もされやすくなります。
夏の水分補給、飲むタイミングは?
夏に脱水症状にならないためには、水分補給をするのはいつがいいのでしょうか。
水分補給が必要なタイミングはたくさんあるのですよ。
水分補給は喉の乾きや汗をかく前に
水分補給は、汗をかいたときや喉が渇いたタイミングに飲めばいいというものではありません。
水分を取っても体に行き渡るのには、20分程度の時間がかかります。
水を飲んだからといってすぐに血液の流れが良くなるというものではないのです。
夏場は喉の渇きや汗の量にかかわらず水を近くに置いておき、常時飲むようにするのがいいですね。
エアコンが効いた部屋は、湿度が低く乾燥しているので体から水分が奪われています。
汗もかかなくて快適なので、つい水分補給を忘れてしまいそうになりますが、意外に身体は渇いているのですよ、
自宅での水分補給が必要なタイミング
夜寝る前と朝起きたとき
一晩寝ると、睡眠中に約200㎖の水分が汗によって失われているので、夏の熱帯夜ならなおさら水分が必要ですね。
睡眠中は血圧が低くなるために、血液がドロドロになりがちなので水分補給はとても大切なのです。
夏場は夜寝る前と朝起きたときだけでなく、ペットボトルの水を枕元に置いて、夜中に目が覚めるたびに飲むようにするといいですよ。
入浴前と入浴後
入浴するとお湯に浸かっていてよく分かりませんが、800㎖以上の汗をかきます。
800㎖というのはかなりの量ですね。
お風呂あがりにも結構な量の汗が出るので、入浴の前後とも水分補給のタイミングです。
スポーツや外出時の水分補給タイミング
夏場のスポーツ時や外出時など多くの汗をかくときは、スポーツドリンクなど水分やミネラルを効率良く補給できるものがおすすめです。
運動開始の30分程度前のタイミングで200㎖程度を飲んでおき、その後は20分に1回は飲むようにします。
スポーツに夢中になると、水分補給を忘れてしまいがちになるので、タイミングを見て取るようにしてくださいね。
スポーツドリンクには、糖分も含まれているのでなるべく甘くないものを選んだり、水で2倍に薄めて飲むといいですよ。
アルコールを飲むタイミング
ビールなどのアルコール類は、利尿作用で脱水症状になることもあります。
アルコ-ルを飲むときは必ず横に水を置いて、少しずつ飲むようにします。
さいごに
人は水分不足になると汗が出なくなり、体温が上昇します。
汗や尿が出なくなることで、老廃物が溜まって血流が悪くなり、身体の機能が低下してしまうので、水分補給はとても大事なのですね。
夏の水分補給のための飲物は、水か麦茶が適しています。
麦茶にはカフェインがありませんし、血液サラサラ成分が夏にぴったりの飲物です。
1日に必要な水分量は、排出水分量から補給水分量を引いたものに、汗などで失われる水分量をプラスして1日2ℓ以上となります。
水分補給のタイミングは、睡眠や入浴の前後や運動時などですが、それ以外でものどの渇きや汗の量に関係なく少しずつ取るようにするのがいいですよ。
なぜなら、水分を取っても身体に行き渡るには20分程度の時間がかかるからです。
水分補給は熱中症や脳梗塞などの予防にもなるので、少しずつこまめに水を飲むようにしたいですね。