相続の戸籍謄本(全部事項)出生から死亡まで必要理由と原戸籍とは?

戸籍謄本請求

相続や届出の手続きで、故人の戸籍謄本を提出しなければいけないことが多いですね。
戸籍謄本と戸籍全部事項証明書の違いや、戸籍の種類が分からずに困っていませんか。

分かっているようで、いざ取ろうとすると戸惑うことが多いのが戸籍証明の請求です。
また、相続の手続きでは被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本が必要になることが多いですね。

被相続人が亡くなった時の戸籍謄本には、生年月日も婚姻や死亡についての記載があるのに、どうして出生から死亡までの戸籍が全て必要なのか疑問に思いませんか。

この記事では、戸籍謄本とは?から、相続にはなぜ出生から死亡までの全ての戸籍謄本が必要なのかについてまとめました。
また原戸籍や戸籍の附票も必要なのかについてもお伝えします。
参考にしてくださいね。

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相続で必要な戸籍謄本(全部事項証明)とは

身近な人が亡くなり、相続や届け出の手続きで、故人の戸籍謄本(全部事項証明)を提出しなければいけないことが多くあります。

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戸籍全部事項証明書と戸籍謄本の違いは?

戸籍全部事項証明書と戸籍謄本の違いを疑問に思ったことはありませんか。
実は、戸籍全部事項証明書=戸籍謄本なのですよ。
全部事項証明は、その戸籍に記載された人全員分を証明したものです。

電子データ以前の紙戸籍を戸籍謄本といいますが、戸籍の記載内容を電子データ化したものを紙戸籍と区別するために、戸籍全部事項証明書という名称にしたのです。

ですが、一般的には電子データ化以降と、それ以前の紙戸籍にかかわらず、戸籍謄本と呼んでいるので、なんだか分かりにくいですよね。

私は、戸籍謄本のうち、全ての事項を記載したものを全部事項証明書と呼んでいるのだと思っていました。

全部事項というのは、その戸籍に記載された全員分を記載している=戸籍謄本という意味なのですね。

戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)の記載内容

戸籍謄本には、これらの内容を記載して証明しています。

■本籍地の住所
■戸籍の筆頭者氏名
■戸籍事項 戸籍改正
戸籍が作られた日や削除された日、改製された理由などの、戸籍全体に関すること。

■戸籍に記録されている者
その戸籍全員分の名、生年月日、父母の氏名と続柄、婚姻情報。
死亡については、死亡日、死亡時分、死亡地、届出日、届出人。

■従前戸籍
婚姻前の戸籍に関する情報。
結婚によって新しく戸籍がつくられたことと、その日付、結婚前の本籍地と筆頭者氏名。

相続の戸籍謄本は、出生から死亡まで全て必要

相続の手続きでは、被相続人の出生から死亡まで全ての戸籍謄本が必要になります。

被相続人が亡くなった時の戸籍謄本(全部事項証明)に、出生から死亡までの全てが記載されていることはほとんどありません。

出生から死亡まで、引越をせずにずっと同じ住所に住んでいて住民票を動かしていなくても、戸籍がそのままだということは無いのですよ。

筆頭者が変わったり結婚でも戸籍は新しく作られますし、法律によっても改製されます。
平成6年の法改正により、その後戸籍が改製されているので、それ以前に出生している人は、戸籍謄本が最後のものだけということはないのです。

ひとつ前の戸籍については、【従前戸籍】の記載を見ればわかります。
そこには、ひとつ前の本籍地の住所と筆頭者氏名があるので、それを元に戸籍謄本(全部事項証明)を取ることができるのです。

もし、ずっと同じ自治体に住んでいたのなら、戸籍謄本を取るときに「出生してから死亡までを相続のために必要だ」と役所の窓口で伝えれば、全て一緒に出してもらえますよ。

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相続で出生からの全ての戸籍謄本が必要な理由

死亡したあとの全部事項証明(戸籍謄本)にも、被相続人の生年月日や配偶者氏名、子どもの名前などは記載されています。

ですが、結婚して戸籍を離れた子どもの名前や、それ以前の婚姻や子どもの有無などの記載は全くありません。

相続は、被相続人の出生から死亡までの全てを確認して、相続人が誰なのかをはっきりさせる必要があるのですね。

もしかしたら家族も知らない婚姻や、子どもがいる可能性だってあるのです。
そんなことは絶対無いと分かっていても、法律的に証明するためには可能性を全部消す必要があるのですね。

相続に必要な戸籍謄本で原戸籍とは?附票は必要?

相続で必要な戸籍謄本を役所に取りに行ったら、戸籍の附票の写しは必要ですか?とか改製原戸籍は?などを聞かれることがよくあります。

私は最初に戸籍謄本を取りに行ったときは、附票や原戸籍の意味が全く分からずに答えることができずに困ってしまいました。

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原戸籍(改製原戸籍)とは

原戸籍(改製原戸籍)・げんこせき(かいせいげんこせき)は、戸籍制度が変わって現在の戸籍につくり変える前の元になった戸籍です。

改製される前の戸籍で、交付可能なものは2つの種類があります。
昭和と平成の法改正による改製原戸籍で、それぞれに「昭和改製原戸籍」「平成改製原戸籍」と呼んで区別することが多いです。

改製原戸籍は縦書きで、文字が手書きでびっしりと記載されています。
そのため文字が小さくて潰れていたり、数字も全て壱・弐・参などの漢数字のため、読みにくかったりしますね。

また現在のものが、結婚して戸籍から離れた人の記載は全く無いのに対して、改製原戸籍には名に×をつけてあり、除籍がわかるようになっています。

戸籍の附票とは

戸籍の附票は、その戸籍に記載させている人の住所の履歴を記録したものです。
戸籍と一緒に住民票の住所を記録してあるので、住所が変わっても戸籍が同じなら連続して記載されます。

附票では戸籍の表示、氏名と住所、生年月日の証明ができますが、特別な事がない限り、相続の手続きには必要ありませんね。

さいごに

相続の手続きでは、戸籍謄本の提出を求められることが多くあります。
戸籍謄本=戸籍全部事項証明書で、戸籍に記載された人全員分を証明したものです。

戸籍全部事項証明書(戸籍謄本)には、本籍地や筆頭者、名、生年月日、父母の氏名と続柄、婚姻や死亡についての情報が分かります。

相続には被相続人の出生から死亡までの、全ての戸籍が必要です。
生まれてずっと同じ住所で暮らしていても、婚姻や法改正などで戸籍は改製されます。

「改製原戸籍」は現在の戸籍が改製される前の元になった戸籍で、相続の手続きには必要ですが、「戸籍の附票」は戸籍と一緒に住民票の住所が記録してあるものなので必要ありません。

役所に行ってどの戸籍を取っていいか分からずに困ったときは、誰が何のために使うのかを詳しく伝えれば大丈夫ですよ。

戸籍謄本などの証明書を取るのはお金も手間もかかるので、分からないことは先に確認した方がいいですね。

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