相続に必要な不動産評価の方法とマンションの計算方法は?

不動産評価

身近な人が亡くなって土地や建物の相続で、不動産の評価方法が分からず困っていませんか。
不動産や預貯金などの財産評価によって、相続税がかかるかどうかや税額が決定するのでとても重要なのです。

不動産評価は特例などが多く、専門の知識がないと難しいのですが、自分でもおおまかな計算をすることができますよ。
この記事では、相続での不動産評価が重要な理由や評価の方法についてまとめました。

また、分譲マンションの評価の仕方についてもお伝えします。
不動産評価の計算を自分やってみると理解が深まりますし、税理士さんに依頼する際の資料にもなりますよ。

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相続の不動産評価が重要な理由

身近な人が亡くなって自分が相続人になった場合、相続税がかかれば被相続人が亡くなって10ヶ月以内に相続税を納付しなければいけません。

相続税の申請は相続人が全員で行うものですが、まずは財産の評価をして相続税がかかるかどうかを把握する必要があります。

財産を相続したからと言って全てに相続税がかかるわけではなく、財産の額が非課税枠(基礎控除額)内なら、相続税は発生しません。

ですからまずは相続財産を正しく評価することが、相続手続きの始まりになります。
預貯金や証券などの金融資産は、故人が亡くなった日の残高や時価がそのまま評価額になります。

ですが、土地や建物などの不動産は相続税の評価の方法で評価額を決定するので、そのままというわけにはいきません。

土地は単純に公示価格×面積で評価額を決定するわけではなく、色々な特例で評価が下がると、その分相続税も少なくていいことになります。

相続の不動産評価は税務署がしてくれるわけでは無いので、相続人が自分で評価したり税理士に依頼したりします。

不動産の評価を低く算出して適正ではないと税務署に判断されると、追徴税などを支払うことになりますが、高すぎる評価額で相続税を多く納税しても誰も教えてくれません。

ですので相続の不動産は、専門的な知識を持った人に最初から正しく評価してもらうことが重要になりますね。

相続の不動産評価の方法

相続の不動産評価は、専門的な知識が必要になりますが、評価の方法を理解して事前に自分で計算することで相続税がかかりそうかどうかを把握することができますよ。

相続の手続きを税理士に依頼する場合でも、税理士費用がどれくらいかかるかは財産の額で決まる場合がほとんどです。

遺産の金額や不動産資産の概要を示さなければ、税理士さんへの相談も一般的な話しかできずに内容が薄いものになってしまいます。
相続の不動産評価の方法は、土地と建物を分けて別々に評価します。

土地の評価方法

土地は、宅地や借地権の割合や貸宅地、貸家の敷地によって評価方法が違ってきます。

宅地

宅地の評価は、
■ 路線価方式:路線価×面積
■ 倍率方式:固定資産税評価額×倍率

■ 財産評価基準書 路線価図・評価倍率表(国税庁のHP)に、
 全国の路線価と倍率が掲載されています。
   http://www.rosenka.nta.go.jp/  
 私もこれを見て計算しましたが、とても分かりやすかったですよ。

■借地権
自用地の評価額×借地権割合
■貸宅地
自用地の評価額×(1―借地権割合)
■貸家の敷地
自用地の評価額×(1―借地権割合×借地権割合×賃貸割合)

自分の土地を貸していたり貸家が建っていると、自分の意思だけでは土地の売買などが自由にできないため評価が下がるのですね。

建物の評価方法

■ 自宅:固定資産税評価額×1.0
■ 貸家:固定資産税評価額×0.7

固定資産税評価額は、4月に市町村から送られてくる固定資産税の納税通知書に同封されている「固定資産税・都市計画税(土地・家屋)課税明細書」を見れば分かりますよ。

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相続の不動産評価、マンションの計算方法

マンションには専有部分と共有部分がある

現在は一戸建て住宅よりも分譲マンションに住んでいる人が増えましたね。
分譲マンションの場合も相続不動産としての評価の方法は、戸建て住宅と基本的には変わりがありません。

ただ戸建て住宅は、エントランスや玄関も全てが基本的にその人個人のものですが、マンションだと共有部分がありますね。

分譲マンションには持ち主が専用で利用する部屋やガレージなどの専有部分とマンションの住人全てが利用する部屋や廊下やエントランスなどの共有部分があるのです。

マンションの評価の方法

まずは,マンションの土地と建物を分けます。
土地と建物それぞれについて、マンション全体の評価額を算出したあとで、自分の持分割合をかける方法で計算することができます。

持分割合とは

持分割合はマンション全体に対しての、自分が専有している部分についての割合です。
マンションの売買契約書を見れば、「敷地権の割合」として持分割合が記載されています。
この持分割合によって、管理費や修繕費用の負担金なども決定されているんですね。

さいごに

相続での不動産評価は、「相続税の評価の方法」で評価額を決定するので、専門的な知識が必要になります。
正しい評価をしないと追徴税の支払いや、相続税の払い過ぎなどが起こってしまいます。

相続での不動産評価の方法は、土地と建物を分けて評価額を決定します。
土地は、宅地や借地権の割合や貸宅地、貸家の敷地によって評価方法が違ってきます。

建物は自宅なら固定資産税評価額と同じですが、貸家の場合は70%に評価が下がります。
貸家だと住んでいる人の権利が保証される分、持ち主が自由にできないことを考慮して財産価値が低くなるのですね。

分譲マンションも相続不動産としての評価の方法は、戸建て住宅と基本的には変わりがありません。
ただマンションは専有部分と共有部分があるので、まずマンション全体の評価額を出したあとで、自分の持分割合をかける計算方法で算出することができます。

相続のための不動産評価は、特例が多くて専門的な知識がないと難しいのですが、おおまかになら自分で計算できます。
税理士に相談するときの資料になりますし、理解も深まるので計算してみてくださいね。

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