お盆のお供えの飾り方は?その意味と盆棚にはどんなものがあるの?

盆棚

お盆には、仏壇とは別にお供え物を置く盆棚を準備しますが、お供えの飾り方が分からなかったり、何だか難しそうだと思っていませんか。

盆棚の飾り方はちょっとしたきまりが分かれば、後はそれぞれのご家庭に合わせて飾ることができます。

盆棚に飾るお供え物には、それぞれの意味や役割、込められた思いがあります。
お供えする意味を知ることが、ご先祖様への供養にもなりますよ。

この記事では、お盆のお供えの飾り方や意味、盆棚にはどんなものがあるかについてまとめました。
盆棚は、地域や家庭で飾り方が違いがありますが、参考にしてください。

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お盆のお供え、盆棚での飾り方は?

お盆にはお供えを、お仏壇とは別に盆棚(精霊棚)を作って飾ります。
盆棚の飾り方には、ちょっとしたきまりがあるのですよ。

地域によっても違いがありますが、ご家庭での飾り方の参考にしてくださいね。

お盆のお供えの盆棚での飾り方

3段飾り+供物机の場合の飾り方を紹介しますね。

3段目(上段)の飾り方

■お位牌
お位牌は、最上段の中央に置きます。

■札板立て
お盆には全ての戒名を表に出すので、札板は札板立てて繰出し位牌の隣に置くといいですね。

■仏花
菊やキキョウなどのお花を、左右に2個1対で花立に生けて飾ります。
匂いがきついものや毒があるもの避けますが、特別なきまりはありません。
故人が好きだったお花でもいいですね。

2段目(中段)の飾り方

■霊具膳
仏さまやご先祖さまのためのお膳で、一汁一菜の精進料理でもてなします。

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■果物や野菜
故人へのおもてなしと収穫に感謝する意味もあります。

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■お菓子
果物やお菓子は飾り方にきまりはありませんが、霊具膳の左右に供物台に盛って飾るのが一般的です。

1段目(下段)飾り方

■牛と馬(精霊馬)
牛と馬は故人があの世とこの世を行ったり来たりする際の乗り物です。
まこもやなすやきゅうりで作った牛と馬を並べて飾ります。

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■蓮の葉
牛馬の近くに飾って、水の子などのお供え物をのせます
蓮の葉は手に入りにくいですが、仏具店で樹脂製のものを買うことができますよ。

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供物机

1段目(下段)飾りの手前に設えて、香炉や火立やなど仏様にごあいさつするための道具を置きます。

真ん中にお線香を焚く香炉を置いて左右か右側にろうそく、その右側にお鈴と鈴棒を置くのが一般的です。
線香差やマッチ消などは、左側の空いたスペースに置くといいですね。

その他

■13仏の掛軸
お釈迦さまなど13人の仏様が描かれた掛け軸です。
飾り方は、他のもので隠れたりしないように注意して、盆棚の後ろや横のよく見える場所に掛けます。

■提灯
盆提灯の飾り方は、2個で1対として左右に置くのが一般的です。
何個飾ってもいいので、明るく華やかにご先祖様をお迎えしましょう。
小さなものなら段飾りの上に、左右対で置くこともできますよ。

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■ほうずき
飾り方は、花立に立てたり、蓮の葉の上に実だけおいたり、縄をつけて灯明のように飾ったりといろいろです。

■笹竹
飾り方は、笹竹を盆棚の左右に立てたり、四方に立てて囲ったりします。
笹竹は仏具店で樹脂製のものを買うことができます。
笹竹を立てるスタンドも仏具店に売っていますよ。

■ざぶとん
お坊様やお参りの方用のざぶとんを用意します。

紹介したのは、一般的な飾り方です。
地域の習慣やご家庭でそれぞれの飾り方が違います。


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お盆のお供え、それぞれの意味は?

お盆のお供えにはそれぞれの物に意味があります。
その意味が分かれば、飾る気持ちも変わってきますね。

■13仏の掛け軸
お盆のお供えには、13仏の掛け軸が欠かせません。
掛け軸に描かれている不動明王や釈迦如来、文殊菩薩などの13の仏さまは、亡くなった人を極楽浄土に導きます。

ご先祖様はあの世で修行をしていますが、いつもこの13仏見守ってくれています。
向こうの世界でお世話になっている仏様に感謝の気持ちを伝える意味で掛け軸を飾るのです。

■笹竹
盆棚を挟んで左右や四方に笹竹を飾りますが、これは結界を意味しています。
結界とは、聖なる場所と俗なる場所を区切ることです。
神社のしめ縄や、お葬式の時に張る幕などと同じ意味ですね。

■ほうずき
ほうずきの実の部分だけを蓮の葉に乗せてお供えしたり、縄にくくって「縄付きほおずき」として結界の笹に橋渡しをして飾ったりします。

ほおずきの実が灯明に似ていることから、帰ってくるご先祖様を明るく照らすという意味があります。

■まこもゴザ
盆棚には、まこも(イネ科の植物)で作ったゴザを敷いてその上にお供え物を置きます。
まこもゴザを敷く意味は、まこもが神聖なものとされているからです。

その昔お釈迦様が病人をまこもゴザの上に寝かせたら病気が治ったという逸話があります。
お清めの大事な場所である盆棚には、まこもゴザを敷いて邪気を払うという意味があるのですね。

■お膳(霊具膳)や果物、お菓子
お盆に帰ってくるご先祖さまをおもてなしする意味が込められています。
このように、ひとつひとつのお供えには、意味があって故人への供養の気持ちが込められているのですね。

■牛と馬(精霊馬)
牛と馬はご先祖様の乗り物を意味しています。
お盆にあの世からは馬に乗って走って帰り、戻るときには牛に乗ってゆっくりとお見送りする意味があります。

■水の子
ご先祖様だけではなく全ての精霊の供養になるようにとの意味から、なすやきゅうりを賽の目に切ったものとお米を混ぜて、蓮の葉に乗せお供えします。

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お盆にお供えする盆棚にはどんなものがあるの?

お仏壇は仏様の別院と考えられていて、いつもは仏壇にお位牌を置いています。

お盆にはご先祖様の霊が、家に帰ってくると考えることから、お位牌を仏様の別院であるお仏壇から盆棚に移動させるのです。

ですから、お仏壇とは別に盆棚を作ってそこにご先祖さまをお迎えしてお供え物を供えます。
お盆にお供えする盆棚(精霊棚)には、いろいろな飾り方があります。
3段飾りや2段飾りのひな壇タイプや、1段の平台タイプなどです。

棚に敷くのもまこもゴザや、白い布の白どんす、きらびやかな金襴どんすなどいろいろなものがあります。

盆棚は木製やスチール製などで折りたたみのものが、仏具店などで買うことができます。

私の家では、段ボール製の組み立て式2段飾りを使っていますが、とてもしっかりしていますし、付属の白どんすをかけるととても立派に見えますよ。

専用のものを用意しなくても、ご家庭にある和室用のテーブルなどで代用してもかまいません。

近頃は住宅事情などで、盆棚を飾らないご家庭も増えましたが、特別に棚を設けなくても飾ることができますよ。

盆棚のスペースが取れない場合には、お仏壇の膳引き部分を引き出して使ったり、小さな室礼台を置いてお供えすることもできます。

特別な盆棚を準備しなくても、それぞれのご家庭での習慣を引き継いで、心をこめて故人の霊をお迎えすればいいのですね。

さいごに

お盆にはお供え物を盆棚に飾ります。
盆棚は精霊棚とも呼ばれ、お盆に帰ってくるご先祖様をお迎えする神聖な場所です。

日頃は仏壇に置いてあるお位牌を盆棚に移動させるのは、仏さまの別院である仏壇から家に帰ってくることを意味しているのですね。

盆棚の飾り方は、上段からお位牌、お膳や果物、精霊馬や水の子、そして下段の手前に香炉や火立てなどのお参りの道具となります。

それぞれのお供えものには意味があって、それを知ることでより一層、故人への供養の気持ちを込めることができます。

お盆の盆棚には、3段飾りや2段飾りに平台などいろいろな飾り方がありますが、それぞれのご家庭でのお部屋に合わせて飾るといいですよ。

盆棚を用意するスペースが無いときは、お仏壇の膳引き部分や飾り棚の上を利用することもできます。
ここで紹介した飾り方を参考にして、ご家庭に合った盆棚を準備してくださいね。

■お盆について必要となる常識一般についてまとめています。
お盆のまとめ記事はこちら

お盆の行事は、しきたりや習慣、決まり事があって何だか難しそうだと感じますね。 この記事では、お盆のお供えのお膳や野菜の飾り方、牛馬や迎え火の意味や方法などをまとめました。 また、初盆での御仏前やお花の送り方についてもお伝えしますので参考にしてくださいね。

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